薩摩琵琶　丈水庵

現在日本で演奏されている琵琶は、私が知る範囲で、楽琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶、錦琵琶、鶴田流琵琶があります。弦は四弦か五弦、柱は四柱または五柱です。
私は錦心流で四弦四柱の琵琶を使っています。メリットであり同時に大きな課題は、柱と柱間が開いているので、その間の音程を「指の押し加減」で「つくる」(=押し干)わけです。あらかじめここを押すか叩くかすれば、その音高が出せる鍵盤楽器とは大きな違いですね。
しかし、この押し加減が実に微妙で安定しません。そこでより正確な音高を求めて、錦琵琶や鶴田流は五柱に改良されました。他の楽器とのアンサンブルもより楽しめるようになったわけです。ご本家？　の中国琵琶は、さらに自在に音高をコントロールできるようになっています。
四弦四柱琵琶でなければ、つくれない音を追究するべきなのでしょう。