薩摩琵琶 武部丈水の活動を紹介しております。

四弦四柱琵琶の未来2

前回楽器の特徴について書きましたが、元々楽琵琶は雅楽オーケストラのパートを担う楽器で、他の楽器とのアンサンブルを楽しんでいたわけです。ところが百人一首のにも登場する名手蝉丸、耳なし芳一等、一人で弾いています。どうやら物語を語りながら琵琶を伴奏として使う人々がもう一方にいらしたのですね。盲目の琵琶法師、室町時代に薩摩琵琶を始めた島津の殿様、琵琶は弾き語り楽器として受け継がれていきます。
江戸時代の初め頃に三味線が開発された時、琵琶法師が楽器づくりに貢献したようです。けれど三味線がその後箏や胡弓、尺八とアンサンブルして三曲というジャンルを構成していたり、歌舞伎の伴奏として大活躍していくのに、琵琶はなぜか? 孤塁? を守り続けました。
突然昭和の時代に大飛躍を遂げて、オーケストラの独奏楽器として登場するのは武満徹の「ノヴェンバーステップス」まで待たなければいけません。使われた琵琶は鶴田錦史さんの五弦五柱でした。

雅楽の楽琵琶画像
薩摩琵琶とは構え方・奏法が違います。
2023/4/10