音高を再現し学習するのに、現在最も広く利用されている方法は、やはり西洋発祥の五線譜でしょう。我が国の音楽はペリー開国前まで口伝または数字譜等で伝承されていました。口伝は独特の間合い・ニュアンスなど五線譜では表せない音を伝えるのに有効です。私は師匠に口伝で教わりましたが、受け取る側のスキルに合わせて最も理解しやすい方法が選択できるようになるとよいと思っています。
実は音高がわかるだけでは薩摩琵琶は演奏できません。少なくとも初心者は何の弦のどこを何指で押さえるのか? バチは叩く(チャン)のか、返すのか(ギン)、ピチカート(リン)なのか、トレモロなのか・・わからないと弾けないのです。さらに私如きが申し上げることではないかもしれませんが、音を出せた後の本当の目標は「美しい音の追究」にあるわけでして、そのためには稽古・精進しかないのでしょう。
四弦四柱琵琶ならではの美しい音を伝えるために。