薩摩琵琶 武部丈水の活動を紹介しております。

琵琶の歴史、二つの流れ

増本喜久子さんの「雅楽」という本を読む。雅楽には楽琵琶が登場して、和音伴奏的にリズムを奏でている。篳篥や龍笛が奏でる旋律を箏や琵琶が支えているのだ。
しかしながら、同じ琵琶なのに私が親しんでいる薩摩琵琶とは明らかに音楽表現上の役割や楽器の構え方が違う。少し調べると琵琶は日本に伝えられた奈良時代の頃から二つの流れがあったのだ。それは宮廷で奏でる雅楽ではなく、盲僧琵琶という種類の異なる琵琶だったのだ。現在引き継がれている薩摩琵琶や筑前琵琶はこちらの流れだったのだ。
歴史的に最も地位の高い貴族が楽琵琶を愛好し、同時に門付芸能として盲僧琵琶を弾く人々がいて、違う種類の琵琶を弾いていたわけなのですね。
広く自分の出自に関係なく愛好者が増えたのは、錦心流の流祖永田錦心が活躍した時代を待たなければならない。
全国的に人気を博した錦心流の現況と課題については、また別の機会に触れましょう。

2023/4/27