西洋の歌もグレゴリオ聖歌の頃は、拍がはっきりしていません。楽譜は古ネウマ譜と呼ばれる一本線による記録の仕方で、リズムを表す種類の音符はありません。歌唱の旋律ばどこまでも滑らかに流れていきます。
日本は舞踊を伴う音楽や民謡には拍がありますが、語り系の歌には拍がありません。琵琶の語りもその部類に入ります。
無拍でリズムを刻まないので、言葉の頭に必要以上のアクセントが付きません。母音の美しさを味わうことができる究極のレガート唱法が日本の伝統音楽にもあったのです。
画像は水嶋良雄「グレゴリオ聖歌」より引用