薩摩琵琶 武部丈水の活動を紹介しております。

0111  短歌と琵琶

元々日本の定型詩は音楽だった。節を付けて吟じられる和歌を人々は音として共有していたのだと思う。その美しさは、文字として読んで理解するものではなく、音として感じられるものだったのだろう。和歌に限らず、元々詩は朗詠することで、その響きを分かち合ってきたわけで、現在もその試みは詩吟などで継続している。
さて琵琶楽は、ストーリー性のある叙事詩を語ってきたが、それはそれとしてきっと鎌倉時代以降に平家物語が成立してからの話で、それ以前は何を語っていたのだろう? 盲僧琵琶と切り離せないのは、やはりお経だろうか?
試みとして和歌に琵琶の音色を添えて、吟じてみたいと思った。例えば・・・

やまとうたは 人の心を 種として
よろずのことの 葉とぞなれりける
紀貫之

2024/1/11