落語で言えば「つかみ」、オペラで言えば序曲。最初の数分で聴き手の気持ちを掴まないと、聴衆は眠気のあくび沼の中へと沈んでいってしまう。
琵琶で言えば、前語りで琵琶の世界にいざなっているわけです。超有名な例としては祇園精舎の鐘の声・・だって、本語りに先立つ詩句なわけで、もうそれだけで平家物語の世界に引き込んでしまっている。
最近友人が出版した絵本を元に、琵琶うたを作ってみたのですが、絵本との違いは琵琶の語りには、絵も文章もないということ。生声と琵琶の語りだけで勝負? しているわけですから、前語りの出来不出来は、とても重要だと感じております。