楽譜を元に歌を歌っていると、指導者から「次の音を準備して!」と声が掛かることがある。西洋音楽は平気で音がジャンプするので、とりわけ低い音から高い音に飛ぶときには、あらかじめその音をイメージしてその高さの声が準備されていないと上手く歌えない。
琵琶譜にも、地、中干、大干などと高さの指定はある。けれど語りとして流れていることの方が大切なので、途中で発声が変わったり、音に奇妙な抑揚が付くことが好まれないようだ。
次の音をどう発するか? 主体が楽譜ではなくて詩文、さらには自分自身にあるような気がしています。