薩摩琵琶 武部丈水の活動を紹介しております。

通奏低音と琵琶弾法

バロックの頃、オルガンやチェンバロに通奏低音という奏法があり、演奏者は楽譜に書き込まれた数字付き低音によって楽器を奏でていた。
主旋律や合唱・合奏は、それを支えている低音を感じて歌われ、弾かれる伝統はジャズやロックの20世紀に至っても常に低音楽器を伴っている現代まで継続している。
さて話は琵琶楽。ボクは自分の琵琶をA-E-A-少し高めのHで調弦している。ひきだしに続けて、うたが始まるが、AやEの倍音を感じながらうたいたい。和声進行という伝統が日本の盲僧琵琶系の琵琶楽にはないが、別の見方をすれば、和音の制約にとらわれない自由な歌が可能だとも言えそうです。
けれど琵琶のキーであるAとEの倍音だけは感じていたい。その倍音の中に声がはまった時に聴き手を惹き込むステキな響きが鳴るのでしょうから。

2024/11/14