琵琶は器楽合奏にあまり馴染んでいかない。特に洋楽器とのアンサンブルにチャレンジされている方が少ない気がします。
ズバリ、それは出せる音が少ないからです。特にボクの薩摩琵琶は四弦四柱なので、音のバリエーションが少ない。中国の琵琶は、フレットを増やして、たくさんの音が出せるように変化しているし、日本も従来の琵琶を改良して、五弦五柱の琵琶が作られている。出せる音の少なさが独奏が多い一因にもなっているでしょう。
では四弦四柱琵琶は音楽的に不自由なのか、音をたくさん使いこなせるようになったから自由なのか。確かに88の音を奏でることができるグランドピアノは、多くの曲を弾きこなすことができますし、作曲家たちも好んでピアノ曲を書きました。
でも、たとえ使える音が少なくても、豊かな音楽表現を追究することはできるはずです。間であったり余韻であったり、音と音の隙間を埋めるようにして発展してきた西洋音楽の反対側に、音がない時間を愛おしむ和の音楽の可能性が存在する気がします。